古民家の調査

「ゆすらうめの作り方」、今回は建物編です。

 2013年の盛夏、当時マンション住まいだった私は時折お世話になっている人を招いてはホームパーティを開いておりました。もちろん割り勘で。そのメンバーの中にこの物件の持ち主であるK氏が居られて、「まっちゃん、どうや、安ぅするから使わんか?」とお声がけいただきました。本当にめちゃくちゃ安くしていただいて口から心臓が飛び出るかと思いました。

 そう思うと気もそぞろ、新しい生活を考えるべく日々の業務(当時はインテリア・家具販売店を経営していました)を終えるとそそくさと家に帰りPCの前でああでもない、こうでもないと計画を練っておりました。

 そうしていくうちにある程度固まってきたのが、当時繰り返し行っていたホームパーティのような雰囲気の飲食店でした。誰もが友達の様にフラッと遊びに来て、他愛なく話したり好きなことに没頭したり、時には音楽を聴きながらお気に入りの本を読んで、ウチで飼っている猫がその膝に乗ったりするような空間。出来れば「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」ではなく「おかえりなさい」「いってらっしゃい」と言えるような雰囲気のお店。それまでの人の為にあくせく働くような所ではなく、自分の為にゆるゆると暮らせる場所。

 お酒もコーヒーも好きで、誰かの為に「ご馳走」を作ることが好きな性分ですのでそれを生かそうと思ったわけです。

 お借りした建物は大正14年に建てられた古民家。古民家と言っても良くある豪勢な商家などではなく一般の住宅でした。何度も修繕した跡があります。

 まずは親しくして頂いている一級建築士事務所の先生方と調査に入ります。当然図面なんてないものですから先ずは間取りの確認と採寸、天井裏に身を乗り出しての調査などを行います。

 建物は10年ほど前までK氏のお父様がお住まいでしたが、お亡くなりになった後どなたも住んでいなかったとのことで、あちこちに綻びが見えました。特に排水溝がなく湿気ていた北側の柱と壁はシロアリによる食害でぼろぼろ、畳やその上に積み重ねていた書籍までもがその害にあっていました。

 豆知識で述べると、岡山県下の古い民家はそのほとんどがアカマツの木を用いて作られているそうです。それに加え瀬戸内特有の湿気の多い風などにより湿気も多く、虫害には昔から悩まされたそうです。その為建て替えの頻度が高く、また土地の分割縮小化に伴う家と家との密接度がさらに虫害に拍車をかけたと見られています。

 そんなこんなを楽しく語り合いながら建物を調査してゆきました。

【建物を調べたときの道具】